3Dプリンター用レジンの種類と選び方!初心者は水洗いレジンを選ぼう!

光造形3Dプリンターを使うには、「レジン」と呼ばれる液体状の材料が必要です。

「レジンにはどんな種類があるの?」
「何を基準に選べばいいの?」
「初心者におすすめのレジンは?」

ということについて解説していきます。
お忙しい方は、結論だけでもどうぞ!

結論

初心者のうちは、以下の3点を注意してレジンを選定するとよい。

① 光造形では、造形後、余分なレジン液を洗う必要がある。
 その洗浄方法によってレジンは2種類に分けられる。初心者は水洗いタイプがおすすめ
 
 <通常タイプ>
  IPAと呼ばれる引火性の液体で洗浄。色や硬度などの種類は豊富だが、IPAの扱いが危険。
 <水洗いタイプ>
  文字通り水で洗い流せるタイプ。扱いが簡単で初心者におすすめ。

3Dプリンターとレジン液には相性が存在する。基本的に同じ会社の製品を使えばOK。

③レジンの色や硬度などは製品によって異なる。①と②で絞った後に③を吟味しよう!

では、この3点についてより詳しく解説していきます。

①レジンの洗浄方法

 光造形の3Dプリンターに使用する材料は「レジン」と呼ばれる光硬化性樹脂です。
このレジンに光を当てて固めることによって造形していくわけです。
しかし、光が当たった部分のレジンは固まりますが、その周辺のレジンは液体のままこびりつきます。
よって、このこびりついたレジンを洗い流す必要があるわけです。

この洗浄方法によってレジンは2種類に分かれます。「通常タイプ」と「水洗いタイプ」です。
先にそれぞれのメリットとデメリットをまとめてみましょう。

<通常のレジン>

○種類が豊富。様々な色、硬度、劣化耐性をもった製品から選択できる。
✖️強い毒性と引火性のあるIPAによる洗浄が必要。扱いには危険を伴う。

<水洗いレジン>

○洗浄が水道水でOK。安全で洗浄液の購入費もかからない。
✖️通常レジンに比べて製品数が少なく、バリエーションは限られる。

では、それぞれの特性をより詳しく解説します。

<通常のレジン>

通常のレジンは、一般的な流通量が多く、様々な企業が製品を出しています
そのため、様々な特性をもったレジンが販売されており、肌色のレジンをはじめとした特殊な色のレジンや、硬度や劣化耐性にこだわった様々な製品が展開されています。

しかし、通常のレジンはイソプロピレンアルコール(IPA)と呼ばれる液体で洗浄する必要があります。
このIPAが厄介です。IPAは毒性があり、引火性が高いことで知られています。
揮発性が高いため、作業中に吸い込まないように工夫が必要ですし、目に入ると失明します。
さらに、静電気やちょっとした熱で発火する恐れがあり、初心者は使用を避けたいというのが正直なところです。

IPAの扱いについては、他の方が参考になる記事を掲載していますので、合わせてお読みいただくと、IPAの危険性がわかるかと思います。

関連リンク:一代(いちだい)技術士事務所
「イソプロピルアルコール(IPA)を家庭で使用してOKか?」
https://www.ichidai-peoffice.com/post/イソプロピルアルコール(ipa)を家庭で使用してokか?

<水洗いレジン>

水洗いレジンは、その名の通り、水洗いによって洗浄するタイプのレジンです。
水道水で洗えるため、洗浄液のコストがかからず、危険なIPAを使用する必要もありません
よって初心者には、この水洗いレジンを推奨します。

しかし、水洗いレジンのデメリットは、種類が少ないことです。
SK本舗が発売している汎用水洗いレジンと、Elegooの水洗いレジン、Phrozen社の水洗いレジンなどが代表的です。
SK本舗は日本企業で安心して使うことができます。
しかし、その他の会社は海外の企業です。
そのため、日本に流通している水洗いレジンが限られています
Amazonで調べるとわかりますが、Elegooが一番水洗いレジンを日本向けに発売しています。

②3Dプリンターとレジンの相性

次に考えるべきは、3Dプリンターとレジンの相性についてです。
各社の作る3Dプリンターは当然その構造や光の特性が若干ことなります。
そのため、その3Dプリンターの特性に合うように各社はレジン液を販売しています。
その影響により、各企業が作るレジンは、その粘性や硬度など、特性が若干異なります。

各社の3Dプリンターは、あらゆるレジン液に対応できるよう配慮をしているようですが、
狙った形状がしっかり作れるかどうか補償されるのは、やはり公式のレジンでしょう。

 紙のプリンターのインクを想像してもらうとわかりやすいと思います。
通常の紙のプリンターでもインクに純正のインクと廉価版のインクがありますね。
あれも純正のインクを用いれば、綺麗に発色します。
しかし、廉価版は、価格は安いものの、発色のよさは補償されません。
3Dプリンターのレジン液も同様ということです。

③レジン液の特性で選ぶ

①と②を考慮すると、かなり製品が絞れるはずです。
そしたら、次はレジンの特性で買う製品を決めます。
主に考える要素は以下の要素です。

1硬化速度の速さ
2べたつきの無さ
3低収縮
4硬度
5色

これらの特性は、製品によって異なります。
カタログ、レビューを確認しながら選んでみましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回あげた1〜3の条件に当てはめれば、簡単にレジンの選定ができるはずです。
初心者の皆様も3Dプリンターデビューへの一歩を踏み出しましょう!

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