家庭用3Dプリンターの造形方式2選!価格や材料費、利点欠点を製造業エンジニアが徹底解説!

今回は家庭用3Dプリンターの造形方式について、解説します。
「3Dプリンターを使ってみたい!でも、プリンターを選べない。。。」
「そもそもどんな種類があるのかわからない」
「お金ってどのくらいかかるの?」
という悩みがある向けに、疑問にお答えします!

本記事では
3Dプリンター種類と、メリット&デメリットは?
機械と材料費はいくら?
用途別オススメ方式

についてまとめてみました。
まずは、本記事の結論から記述します。

結論

家庭用3Dプリンターに広く普及しているのは主に2種類あり、
熱融解積層方式光造形方式の2つが挙げられます。

<熱融解積層方式>
・糸状の フィラメントを重ねていく方式
・プリンター価格は20,000円台〜
・材料費は、2000円/kg〜。とにかく材料の種類が多い
・材料が固形のため、扱いやすく初心者向け
・積層痕が残りやすく、精度も低め
・手軽に小物を作りたい方にお勧め

光造形方式
・液体材料を光で固める方式
・プリンター価格は20,000円台〜
・ 材料費は、4000円/kg〜。透明な材料も多く存在
高精度だが、液体の扱いが大変
・高精度なフィギュアを作りたい方にお勧め

では、それぞれの3Dプリンターについて より詳しく解説していきます

3Dプリンターの種類

家庭用3Dプリンターとして最適なプリンターの条件として、
 ・導入費が20,000円台〜&材料費が安い
 ・家庭用として普及&ネットに情報が多い
という2つの条件を元に選定を行いました。
その結果今回は
・熱融解積層方式(FDM方式)
・光造形方式(SLA方式)
の2種類について紹介していきます。

 この2種類の他に、超高精度なインクジェット方式、金属材料を扱える粉末焼結方式、石膏を用いる粉末固着方式など、 様々な方式が存在します。しかし、 これらの種類は、企業向け製品が多く、価格帯も100万円台、材料費も5万円/kg〜と現実的ではありません。さらに家庭用として広く普及していない製品は、ネット上での情報、ノウハウが少なく、問題が発生した際の解決が困難です。
よって今回は 熱融解積層方式と光造形方式の2種類に絞って解説行ってきます

熱融解積層方式(FDM法)

熱融解積層方式(Fused Deposition Modeling)は、その名の通り、材料を加熱して柔らかくし、それを押し出してプラットフォーム上に重ねていく方式です。
FFF(Fused Filament Fabrication)と呼ばれることもあります。
材料には、熱可塑性樹脂を糸状にしたフィラメントを使用します。
個人向けに最も普及している3Dプリンターであるため、材料を販売する会社も多く存在します。安価な材料から、色や硬度にこだわった材料など、材料の種類が豊富なのが特徴です。

熱融解積層方式の価格帯

熱融解積層方式の3Dプリンターの価格帯は、20,000円台から存在します。Amazonには相当安いメーカーも存在しますが、 信頼できるメーカーから購入すると良いでしょう。
 例えば、日本にも支社が存在するXYZプリンティング社の販売している「ダヴィンチ」シリーズがお勧めです。
120mm立方体の造形が可能なもので26800円でAmazonで販売されています。(2021年4月14日現在)

熱融解積層方式の材料費目安

熱融解積層方式は、広く普及しているため、安価な材料がたくさん存在します。

たとえば、先ほどのXYZプリンティングが公式に出しているフィラメントであれば、600gで3800円ほどです。
しかし、公式であることにこだわりがなければ、1kgで2000ほどのフィラメントも存在するので、ランニングコストとしては、十分安いと思われます。
純正の方が、プリンターとの相性がいいので、お勧めですが、試作品用に安価なフィラメント、本番用に公式の純正フィラメントを用意しておくと良いでしょう。

熱融解積層方式のメリット&デメリット

<メリット>
 ・材料が固形なので、汚れにくく扱いやすい
 ・扱える材料が多い。PLA、ABS、TPU、PP、PEEK…etc
 ・初心者の方は、硬さや色など選択肢の幅が広いと思ってもらえれば○。

<デメリット>
 ・糸を積層させるため断面に積層痕が残りやすい。安物は顕著なのでやすりがけが必要
 ・ソリが発生しやすい
 ・精度は光造形に比べると劣る。高精度のものを作るには、高価なプリンターが必要

光造形方式(SLA法)

光造形方式は、液体状の光硬化性樹脂を光によって固めていく方式です。熱融解積層方式に比べると、高精度であることが特徴です。材料はレジンやマニキュアを代表とする光硬化性樹脂を使用します。
高精度で形成できることから、フィギュア作成者の間で広く使用されており、多くのホビー系Youtuberも使用しています。
レオトイ氏や、アイアムマン氏などがベイブレードの自作パーツの作成に使用できるほど、繊細な造形が可能です。

光造形方式の価格帯

光造形方式も、20,000円台から購入することが可能です。
お勧めは、多くのYoutuberが紹介しているElegoo社の「mars」シリーズ。Elegooは元々はマイコンのキットを作成していた会社ですが、3Dプリンターの販売にも着手し、さまざまな製品を作っていきました。Youtuberが紹介していることもあって、セットアップ方法や使い方がたくさん動画で紹介されているため、初心者にお勧めです。
Mars Proは、現在Amazonで26,599円で販売されています(2021年4月14日現在)
これくらいの値段ですと、120×68×155mmの造形サイズとなっており、
より大きな造形を求める場合は、もう少し高価なプリンターを買う必要があります。

光造形方式の材料費と特性

光造形の材料は、レジンを代表とする光硬化性樹脂です。
例えば、先ほど紹介したElegoo社公式の樹脂であれば、500gで2999円ほどです。


また、光硬化性樹脂は、液体であるため、硬化後に固まり損なった液体の洗浄が必要です。
通常のレジンであれば、アルコール洗浄が必要で、手間がかかりますが、
現在は、水洗いレジンというものも販売されており、こちらは、水洗いでいいのでお勧めです。

光造形方式のメリット&デメリット

<メリット>
・高精度で精巧なフィギュアの作成が可能
・透明なレジンが使用可能であり、透明度が高い
・FDM方式のような積層痕ができず綺麗な仕上がり

<デメリット>
・液体材料の臭いが少しきつい
・レジンは、吸いすぎるとレジンアレルギーを発症するので換気必須
・液体材料のため、扱い・機械の洗浄がやや面倒
・光硬化性樹脂は日焼けしやすい傾向にあり、色の変化が起きる可能性あり

まとめ

いかがだったでしょうか。
家庭用プリンターに最適な方式について今回は2種類紹介しました。
手間をかけずに気軽に行いたい場合は、熱融解積層方式がお勧めですし、
高精度で精巧なフィギュアを作りたい方には、光造形方式がお勧めです。

自分に合ったプリンターをぜひ選んで、楽しい3Dプリンターライフを始めましょう!

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